2008 |
09,17 |
«楽しすぎた»
ボエッとなりました。くわしい覚書はまた後で!
ボエッとなりすぎるので消化すべく続きにべいえいです。短すぎるとかプロットじゃねえかとか割合終わらないすぎる前振りすぎるなにも書けなかったいぎりちゅ書かせろ滅びろ(何かまざった)とか思うけど気にしないんだぜ。
ふおおお、何だこれー何だこれー何の病気ー
めりかといぎりちゅがいとおしすぎて死んでしまいそうです
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月が奇麗に輝く夜だった。
「ぅん…、…?」
どこかで物音がしたような気がして、ふっと意識が浮上する。あれ。此処はどこだっけ?身に馴染んだ習い性、分かりやすい敵なんて今更どこにも居ないと知っている筈なのに体は咄嗟に身がまえようとして、けれど室内に満ちる花の香りに気付いて、アメリカは起こしかけた肩から力を抜いた。
一秒、二秒、三秒。静寂を経てすうと深く息を吸い込むと不思議と唇が綻ぶ。部屋に満ちているのは静寂だけではない、それは何処か甘ったるい、まるで与えられるミルクのような。彼の気配。
「イギリス…?」
いつまで経ってもどこか森の匂いがする彼の人の気配にひどく安堵する。
心に染み付いた、刷り込まれたとさえいってよい甘えは成長とともになりをひそめたように見えて、その実アメリカの中でくすぶり続けるからこんな夜中にはふっと顔を覗かせることがある。
もう子どもじゃないんだぞ。俺は、とうに君の弟じゃないんだぞ。そう言いながら掴んだ腕になぜか眉をよせて困ったような顔をする人の唇にむしゃぶりついて、途端に紅潮する顔色に満足して、それでもなお胸のどこかに沈着したままの幼い甘えを、別に自覚していないわけじゃない。
見知らぬ人だったイギリス。
出逢った早々にこの人は駄目でだめで俺がついててあげなきゃ仕方のないんだと思わせたイギリス。
眼の下に大きなクマを作ったいかにも寝ていないという顔色でわざわざやってきたイギリス。お兄ちゃんって呼ぶね。そう笑うとひどく泣きそうな顔になってやんわりと呼称を訂正したイギリス。
親みたいに、兄みたいに、抱いた愛情のすべてを湯水の如くにアメリカに注いで微笑むイギリス。独立しても、その後も、憎んでも忘れることだけはしなかったイギリス。そして実に数百年の長きをかけて抱きしめるのがやっと叶ったイギリス。笑う君。すごい顔してるよってからかうとギギギ、なんて呪いみたいな呻き声を出すから俺は嬉しくて仕方がない。
ねえ、そんなに難しく考えこまないで。恋なんて少しくらい目隠ししていなきゃあ溺れて死んでしまうのに、そんなのはまだ困る。好きだよ。好きなんだ。これはきっと極めて単純な話だから、だから早く答えを頂戴。ねえイギリス。
――泣きたいくらい、俺が好き?